2019/02/15

家庭用オゾン発生器の普及に伴い、オゾンは殺菌・消臭・漂白・害虫駆除と幅広く利用されていますが、使いなれてくるとついついオゾンを甘く見てしまいがちです。ここでもう一度、オゾンを甘く見てはいけないと警鐘を鳴らすつもりでオゾンの危険性について考えたいと思います。
オゾンには3つ危険性がある
これからの話は実験室などの非常に濃いオゾン濃度の話なので、過剰な恐れを持たないでください。市販されているオゾン発生器では間違ってもこのような濃度のオゾンは発生しません。
有毒
濃度の高いオゾンガスは刺激臭があり、吸い込むと咽喉の痛み、頭痛、だるいなど風邪とよく似た症状になります。空気中に存在する自然のオゾンは大気圏のオゾン層から下りてくるもので一般的に0.01~0.03ppm程度といわれています。
一方、作業環境基準では0.1ppm以下と定められています。しかし、0.1ppmを超えればすべての人が風邪のような症状になるかといえば、そうではなくかなり個人差によるといわれており、かなり濃い環境でも平気な人もいればすぐに異常を訴える人もいます。
市販の家庭用オゾン発生器には発生オゾン量の多い機種があります。発生オゾン量の多い機種のオゾンガス放射口はかなり濃い濃度のオゾンガスが出ているので、近くにいるのは危険です。オゾンガスは強い刺激臭がありすぐに気付くはずですから、においを感じたらすぐに避難することです。オゾン消臭をしているのを知らない人が、うっかり部屋に入らないように張り紙など注意喚起をすることが大事です。
なお、人間の命が危険になるのは50ppmの部屋に1時間以上いた場合ですが、オゾンは放出されるとすぐに反応して酸素になるので、純度の高いオゾンガスを密閉状態で放出しないとこのような濃度にはなりません。家庭用のオゾン発生器では起こり得ないので心配には及びません。
爆発
オゾンが爆発するなんてびっくりしますが、もちろん薄いオゾンは爆発なんてしません。
オゾン爆発は濃い濃度のオゾンガスの時に起こります。オゾンガス内ではオゾン同士が互いに反応し酸素になりますが、濃い濃度のオゾンガスはこの反応が一気に連鎖して爆発することがあるのです。オゾンがわずか1gでも容器を破壊するほどの大爆発を起こすそうですから実験室では細心の注意を払っていることでしょう。
オゾンガス同士ではなく他の可燃性の気体と反応して爆発することもあります。
さらに、オゾン処理に使った活性炭が爆発することもあります。活性炭はオゾンと反応して炭酸ガスになるためオゾン水の後処理に良く使われますが、オゾンガスの場合はオゾン生成時にできた窒素酸化物が活性炭に吸着し何かの拍子に爆発するそうです。
窒素酸化物は水中で除去されるのでオゾン水を作る時の後処理に活性炭は使われます。
※魚の水槽をオゾン水で殺菌する場合は臭素イオンがオゾンで酸化され酸化臭素となり、これが魚に悪い影響を与えるため、殺菌後は活性炭を入れ酸化臭素を臭素イオンに戻す処理が必要になります。
火災
爆発に関連していますが、爆発時に活性炭や可燃物が燃えることがあります。実際に火災の記録はありませんが、実験室では近い状況になることがあるとのことです。
これらの危険性は実験施設などの限られた状況でないと起きませんが、オゾンは安全な気体だと安易に思って欲しくないためにあえて記載しました。
参考引用:オゾンの基礎知識
まとめ
オゾンは火のようなものです。正しく使えば何の問題もなく人の暮らしに役に立ちます。しかし、慣れは怖いもので、ついついうっかりしては火事などの悲劇をおこします。オゾンは医療の現場や衛生管理、介護施設なで活躍していますが、正しく使えば何の問題もありません。正しく使えばオゾンは安全ですが、オゾンをなめてはいけません。